沙家を検証してみた
私は間取り図が好きなんですけど、漫画とか読んでてもついついお家の間取りが気になってしまうんですよね。そこで今回は前々から気になっていた「最遊記」の悟浄家を検証することにしました。最終形態であるこの間取り図には有る事無い事書かれていますが、これでも真剣に検証したつもりです。
因みに卒論と並行していたことは秘密である。()
▼参考資料
アニメの沙家はまた違う間取りになっているので今回は参照しておりません。(個人的にはこちらも好みです)
漫画のストーリー上さして重要でないコマの背景だけに着目することは少々変態ですし、「漫画表現」を屁理屈な目で見ているような気がしてなんだか申し訳ない気がします。ましてや小説まで読み込んで検証するなんてTUDUIさんもビックリの熱心さですが、これも偏に私が間取り図と最遊記が好きだからですね。
しかし、漫画のコマを注意深く見ている人は誰でも気がづくと思うのですが、室内の描写は「あれ?八戒さん今どこから出てきた?」とか「さっきの部屋と変わってない?」みたいな事が多いのです。なので今回は誰得なのか分かりませんが、自分の疑問解消と自己満足の為に頑張りました。
まあ、結論から言って正確にこの家の間取りを捉えることは不可能なんですが、さっさと検証していきますよ。
レツゴ!
▼BEDROOM A
こちらは「最遊記」の漫画で一番はじめに登場する部屋、八戒さんが拾われてきた頃に使用されていたお部屋です。八戒さんが目覚めた時は空き缶や脱ぎっぱなしの服で散らかっていたので、もとは悟浄の汚部屋だったと思われます。
漫画での描写が多いため、この部屋は間取りをイメージし易いです。
しいて難点を挙げるとするならば、窓の位置や個数が特定できなかったり、突然配管が消えたり、ドアの開閉方向、ドアノブの位置・種類が頻繁に変わったりする点でしょうか。(結構ありましたね)
これらは何気に今回の検証最大の謎で最終的に未解決ゆえに大変忌まわしい要素だったのですがその辺は都合よく解釈させて頂きました。
まあ「最遊記」の物語上でたいした問題ではありませんし一々揚げ足を取る必要もありませんので、寛大な心でスルーしましょう。
どうしても気になってしまうという人は「異変」の影響だと思っていただいて結構です。なんとか納得してください。でなければ先に進めません。(笑)
▼LIVING ROOM
こちらはリビングの間取りです。「最遊記」で八戒さんが「悟浄さん ちょっといいですか」と言いながら出てたとき、悟浄さんが新聞を読みながらダイニングテーブルの椅子に腰掛けていたことから、この部屋が居間だということが分かります。
のちに三蔵たちが手前の玄関ドアから押しかけてきますが、部屋の中はダイニングテーブルと椅子しかない大変殺風景非常に洗練されたダイニングであります。
ちなみに「最遊記RELOAD」にて鷭里が思う存分気持ち良くドアを蹴破れるよう考慮して部屋の広さを決め、それに従って他のスペースも決めています。
▽KITCHEN & BATHROOM
キッチン、バスルームの位置はほとんど「最遊記RELOAD」を参考にしています。主に鷭里との修羅場のシーンからですね。バスルームの中は「最遊記」で悟浄が髪を切った時のほんの数コマの描写しかなかったので、ほとんど私の予想図です。
浴槽の横にある四角は洗濯機置き場です。八戒さんはこの家の家事のほとんどするそうなので洗濯機は必須です。
▼間取り図案1
さて、漫画に出てきた部屋の描写はこれで以上です。あとは八戒さんの部屋とリビングをくっつければ間取り図完成ですね。さっそくやってみます。
ガチャンコ。
窓の位置方向などに配慮しながらも八戒さんの部屋のドアとリビングのドアの位置がぴったりと合っていますし、キッチンの排気ダクトもきちんと外に面しており理想の形と言えます。完璧ですね。
あ、そうそう。気づいた人はいるでしょうか。
これはどちらもリビングからみた八戒さんなのですが、実は八戒さんの部屋のドアは「最遊記」ではリビングに向かって外開き、「最遊記RELOAD」では内開きなので、図を書いてるとき私はもう混乱しているんですね。ドアがあっちゃこっちゃ向いてます。まあ、蝶番の位置も自在に変えられる特殊な両開きドアなんじゃないですか?それか「異変」の影響なのでそんなに気にすることはないと思いますけど。(投げやり)
間取りだけ見ると一軒家にしては少々歪な間取りであることは否めませんが、漫画に出てきている外観と比較しても、まあ不可能な構造ではありません。そもそも右側は木で隠れてますし、そういう家もアリだと思います。
どっちにしろ、これらの素材からはどう考えたってこの間取りになる訳ですし、これ以上ないほど無駄を省いた完璧な間取り図が出来ましたので、これにて検証はおわりです。お付き合いありがとうございました。めでたしめでたし。
・・・と思うじゃないですか。でもよく考えてみてください。
悟浄はどこで寝ていたと言うのですか。(笑)
▼BEDROOM Bの謎
そう。現段階でこの「無駄」が省かれた家にはリビングと「八戒さんの部屋」しか存在していません。家主であるはずの「悟浄の部屋」がないのです。(笑)
しかも元は悟浄の部屋だと言うのだから驚きです。寝室が1つしかないのに「迷惑ついでに動けるようになるまでいてもいいですか」ときたならそれはもう八戒さんと言えども迷惑過ぎますし、正直迷惑を通り越してキチガイのレベルです。それを悟浄が承諾したとするのならもう2人の間に芽生えた見えざる謎の主従関係を疑わざるを得ません。
何はともあれ、以前に悟浄は鷭里と同居していますし、後々八戒とも同居をすることになるので、やはりこの家の寝室は最低でも2つあると考えるのが自然です。
小説「鏡花水月」ではジープが沙悟浄宅にやってきた3日目の朝の様子が描かれており、リビングに見当たらないジープに八戒さんは「また、悟浄のところですか」と、あたかも悟浄の部屋の存在を匂わす発言をしています。
作中に「悟浄の部屋」を指す具体的な表現は出てきていないとは言え「悟浄の部屋」が存在しないというのは物語上、倫理上、いろんな意味でマズイですし、それに一階建の一軒家なのに1LDKというのはなんだか不自然ですよね。なので「悟浄の部屋がある」と仮定して話を進めます。
▼ドアXと空間Y
では、悟浄の部屋(部屋B)は何処にどの様に位置することになるのでしょうか?
まず、注意すべき条件を整理していきます。
- リビングにはドアが3つあり、それぞれ玄関ドア、バスルームのドア、ドアXである。
- 八戒さんの部屋(部屋A)にドアは1つしかない。
- 悟浄の寝室(=部屋B)はドアXの向こう側に存在する。*1
- 部屋Bは「離れ」ではない。*2
- ∴ ドアX ≠ 部屋Aのドア。
これをもとに、考えられた仮説はこうです。
リビングと部屋A,Bとの間には、「それほど広くない空間Y」が存在している。
これしかありません。
唯一気掛かりなのは「悟浄さん ちょっといいですか」のシーンです。
八戒さんがリビングに入った直後、部屋Aのコマが現れるため、あたかもドアXと部屋Aのドアがイコールだと考えがちなのですが(むしろそう考えるのが普通なのですが)、しかしそうではありません。ここで八戒さんは空間YからドアXを押し、リビングへ入ったのです。ドアXの開閉方向が定まらないのは先ほども述べた通り「異変」か何かの影響なので問題ありません。
これしかありません。(ゴリ押し)
▼間取り図案2
はい。そしてこうなった訳です。グレーの部分は私の予想です。
「それほど広くない空間Y」はコンパクトな中廊下にしました。こうすると、外観から予想される四角いシンプルな形状を保ちつつ無駄なスペースを省くことができます。また、部屋Aは窓が確定しているため必然的に左側になり、部屋Bはそれに従って右側です。
今度こそ完璧です!
余裕ができた私は調子に乗って掃除機を入れる収納スペース*3を作ったり八戒さんがこさえたらしい家庭菜園スペース*4を設けてしまいました。親切に裏口もあります。無くてもいいんですけど。
え?キッチンの排気ダクトはどうしたかって?
それは外観にある様に天井に伸びていると考えればとくに問題ありません。ノープロです。キッチンに窓なんてありません。ノープロです。
ちなみに、八戒さんが同居生活でA,Bどちらの部屋を使っていたのかは分からないので、どちらでもいいようにベッドを似た配置にしています。でも個人的には朝帰りで殆ど家にいない悟浄が小さい部屋を使えばいいんじゃないかと思っています。
▼おわりに
在り来たりですがなかなかよいお家になったのではないでしょうか。間取り図を見ながら生活を想像するのは楽しいです。
最後にわかった事が一つだけあります。
ギャンブルで稼いだ金だけでこんな閑静な森の中にある素敵な一戸建てに住めるなんて悟浄は凄えや!って事です。
あと
細かいことは考えたら負け
って事です。
おわりです!!!